マルレク 2014-2015 開催概要

マルレク 2014―2015 開催概要

マルレク2014-2015は、2014年5月から隔月で2015年3月まで、計6回の開催を予定しています。

Amazonのクラウド・データベース Amazon Aurora

マルレク2014-2015第六回/3月24日(火) 開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「 Amazonのクラウド・データベース Amazon Aurora 」
  • 講演 : 丸山不二夫
  • 講演資料の閲覧はこちらから。 (データサイズ 11.5Mb)
  • 日時 : 2015年3月24日(火) 19:00 ~ 21:00
    ( 開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30 )
  • 会場 : アマゾン目黒オフィス アルコタワー19階 セミナールーム  (目黒)
  • 定員 : 160人 無料(申込先着順)
  • 申込受付開始 : 2015年3月17日(火) 12:00~
  • 受講申込み   : こちらから。 (終了しました)

講演概要

AWSが昨年のRe:inventで発表したデータベースAmazon Auroraは、とても興味深いアーキテクチャーを持っています。

新しいタイプの「クラウド・データベース」の登場

Amazon Auroraは、Amazonのクラウド上で、データベースを動かす時に用意されている Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)を利用しています。Amazon RDSは、サイズ変更が可能なハードウェア容量で、拡張性ある データベースを数分でデプロイすることができ、バックアップ、ソフトウェアのパッチ適用、監視、縮小・拡張やレプリケーションなど、時間のかかるデータベース管理タスクを、効率良く扱ってくれる、とても優れたクラウド・サービスです。

ただ、それだけではありません。Amazon Auroraは、既存のデータベースを、クラウドによってScalabilityとAvailabilityが保証されたAmazonのファイルシステム上で動かしたものではありません。その最大の特徴は、そのストレージ・システムにあります。Amazon Auroraは、MySQL互換でありながら、クラウドの力を最大限引き出すようにチューンされたストレージ上に実装されています。それは、新しいタイプの、「クラウド・データベース」と呼ぶべきものです。

Amazon AuroraのLog-structured Storage

Amazon Auroraの新しさは、Log-structured Storageと呼ばれているストレージのファイルシステムにあります。それは、研究者のアイデアとしては20年前からあるものですが、大量のキャッシュと高速なSSDストレージが利用可能なクラウドの時代に、改めてその価値が評価されたものです。ただ、こうしてクラウド上に実装されてみると、とても斬新なものにみえます。

通常、データベースでは、データベースのストレージとは独立に、大量のLogファイルを厳密に管理しています。Amazon Auroraでは、この二つが一つに統合されています。Logでは、ファイルへの書き出しは、常に、ファイル末尾への追加です。Log-structured File Systemは、これと同じように、ファイル・システムへの書き出しが、常に、ストレージの「末尾」への追加であるように、ファイル・システムを構築します。こうしたストレージの特徴によって、Auroraでは、障害からの”Quick Recovery”は、極めて高速になり、また、S3へのBack-upが、動作中でも「連続的」に可能になっています。

Amazon Auroraの高いコスト・パフォーマンス

注意して欲しいのは、Amazon Auroraは、大規模なクラスター型データベースの “Shared Nothing”型のストレージ分割のアーキテクチャーを取っていないということです。大規模なメモリー・キャッシュを活用して、複数のインスタンスからの同時のReadは可能です。それは、Amazon Auroraのパフォーマンスを大きく向上させています。ただし、ストレージへの書き込みは、一つのインスタンスのみが行います。これによって、データベースのアーキテクチャーは、随分、シンプルになります。また、広大なメモリー空間を持つ最新のプロセッサーの導入と、その上で走る新しいインスタンスの投入によって、Auroraのコスト・パフォーマンスは、とても高いものになっています。現実的で、非常に、興味深いアプローチだと思います。

講演では、Amazon AuroraのLog-structured Storageにフォーカスして、Amazon Auroraのアーキテクチャーを紹介したいと思います。

参考資料

「オーロラは雲の上 — RDBのScalabilityとAvailability」

 

「 Project Ara 合同勉強会 」

マルレク特別編 / 2月26日(木)開催 (終了)

先日のProject Ara Module Developers Conferenceで、市場投入のロードマップが示されたProject Araへの関心が高まっています。今回のマルレク特別編は、マルレクと日本Androidの会とBLEガジェット勉強会とGoogle Developer Groupの四団体の合同勉強会として開催します。テーマは「スマホが変わる。ものづくりが変わる。」です。

  • 開催テーマ : 「スマホが変わる。ものづくりが変わる — PROJECT ARAとものづくりの未来 — 」

講演1 :

「Project Araとものづくりの未来」
丸山不二夫
講演資料の閲覧はこちらから。  (データサイズ 38Mb)

講演2 :

「Araモジュール間インターフェースUniproについて 」
永井 健一 (Project Ara研究家)

講演3 :

「Metamorphosysでできること」
佐々木陽  (株式会社G Clue 代表取締役)

講演4 :

「3Dプリンター、過去、現在、そして少し先の未来」
原 雄司 (株式会社ケイズデザインラボ 代表取締役社長)

  • 日 時 : 2015年2月26日(木) 18;30 ~  ( 開場 18:00 ~ )
    ( 懇親会 20:30 ~ 22;00 )
  • 会 場 : 東海大学 高輪キャンバス 2号館 大講義室
    (東京都港区高輪2-3-23)
  • 定 員 : 500人 入場無料 (申込先着順)
    ( 懇親会 60人 有料¥3,000- (申込先着順) )
  • 申込開始 : 2014年2月9日(月) 12:00 ~
  • 申込受付 :  こちらから。 (終了しました)
  • 主催団体 :
    日本アンドロイドの会
    BLEガジェット勉強会
    Google Developer Group
    丸山事務所
  • 共 催 : 東海大学 情報通信学部 Andoroid研究会

Project Araは、大きく言って、二つの目標を持っています。一つは、モバイルのハードウェアのエコシステムを「民主化」すること。もう一つは、多くのモバイル・ユーザー自身が、モバイル作りに参加することです。こうした目標から明らかなように、Project Araは、ものづくりの世界で進行中の変化、3Dプリンターの活用やMakersのムーブメントと合流していくでしょう。

特に、Project Araがオープンソースとして無償で提供している開発ツール Metamorphosys は、極めて強力なツールです。Araのモジュール作成は、大幅に効率化されます。Araのモジュール作成にとどまらず、IoTやMakersのものづくりに、大きな影響を与えていくのは確実だと思います。

日本にとっても、Project Araは、小さくない意義を持っています。現在、グローバルなスマートフォン市場は参入障壁が高く価格競争も激しく、日本は主導権を発揮できていません。ただ、スマホの部品の多くは日本製です。スマホのモジュール化で、単なる「部品」供給の立場から付加価値をつけたモジュール生産に転換できれば、新しい市場を開拓できます。

Project Ara 合同勉強会概要

講演1:「Project Araとものづくりの未来」 丸山不二夫

Project Araは、「モバイル・ハードウェア・エコシステムの民主化」を提案しています。オープンソースに続く、Makersやオープンハードというムーブメントが、未来のものづくりの世界に与えうるインパクトを考えてみたいと思います。

丸山不二夫:早稲田大学大学院客員教授。Java、クラウド、Androidなどのコミュニティ活動に参加。新しいIT技術をエンジニアに紹介・情報共有するマルレクを、現在、主宰している。

講演2:「Araモジュール間インターフェースUniproについて 」 永井 健一

ProjectAraでは、各種機能がモジュールとして、取り外したり装着することが出来るようになっている。それらが、どのようなプロトコルで動作しているのか、モジュールの開発者が考慮すべき事項について述べる。

永井健一:8bitマイコンの時代から執筆活動を行う。大手メーカーで衛星や光などの基幹伝送網の組み込みソフトウェアの開発を経て、インターネットの発達とともにインターネットサービスの立ち上げに関わっていたが、Androidが発表され再度組み込みソフトウェア業界に。現在某メーカー勤務。

講演3:「Metamorphosysでできること」 佐々木陽

Metamorphosys α版が公開された。これで、MetamorphosysでProject Ara Moduleの開発が可能になる。Metamorphosysの特徴と、できることに関して解説する。

佐々木陽: 株式会社GClue 代表取締役。今までにビジネスの軸をケータイJavaアプリ、ケータイ連携ハード、スマフォアプリ、スマフォ連携ハードとシフトし、最近ではオープンソースハードウェアライブラリ群のFaBoプロジェクトのコミッター。

講演4:「3Dプリンター、過去、現在、そして少し先の未来」 原 雄司

1980年代に発明された光造形は、ラピッドプロトタイピング(高速試作)として以前からものづくりの現場で活用されてきたが、今や最終製品も作れるまさに3Dプリンターになり「脱大量生産」「個人でのものづくり」を実現しつつある現状を解説する。また、今年1月初旬にラスベガスで開催されたCESでの視察の報告も紹介する。

原 雄司: 株式会社ケイズデザインラボ 代表取締役役社長。 通信機メーカーを経て、CAD/CAMソフトメーカーにて開発担当を経験。現在は、3Dプリンターや3Dスキャナー、その他各種3Dツールの導入支援やコンサルティングを行う。著書に「3Dプリンターx3Dスキャナーの新時代」(日経BP)など。現在、経産省の3Dプリンター研究会の委員としても活動している。

参考資料

まず、Project Araのコマーシャル “Part of IT”。ぜひご覧ください。

先日のAraカンファレンスの様子を、次の資料にまとめました。Google Driveからのダウンロードになります。
Project Ara Module Developers Conference
Part 1 http://bit.ly/1C2GTsy
Part 2 http://bit.ly/1G2EX7z

次の資料は、Project Araの開発ツール Metamorphosysのドキュメントを、一つにまとめたものです。ご利用ください。
http://bit.ly/1ykv6Go

ハードウェア技術の動向 — MS Bing 検索でのFPGAの利用 —

マルレク2014-2015 第五回 / 2月02日(月)   (終了)
  • 開催テーマ :  「ハードウェア技術の動向 — MS Bing 検索でのFPGAの利用 — 」
  • 講演 : 丸山不二夫
    講演資料の閲覧はこちらから。(2/02)
    (データサイズ84Mb) 参照時に警告が表示されますがダウンロードはできます。
  • 日時 : 2015年2月02日(月) 19:00 ~ 21:00
    ( 開場 18:30 / 会場受付 18:30 ~ 19:30 )
  • 会場 : 日本マイクロソフト株式会社 本社 セミナールーム (品川)
    (東京都港区港南2-16-3 品川グランドセントラルビル)
  • 申込受付 : 2015年1月26(月)12:00 ~ 2月02日10:00
  • 申込 : こちらから。 (終了しました)
  • 受講 : 無料
  • 定員 : 150人 (申込先着順)

マルレク2014-2015第五回 「ハードウェア技術の動向 — MS Bing 検索でのFPGAの利用 — 」

 

講演概要

IT技術を牽引するハードウェアの進化

IT技術の進化を、一番深いところで規定し牽引しているのは、ハードウェアの進化だと丸山は考えています。もちろん、ハードウェアの変化は、ソフトウェアの変化と切り離しがたく結びついていくだろうことは、言うまでもないことなのですが。第五回マルレクでは、ハードウェア技術の現在にフォーカスして、その動向をオーバービューしたいと考えています。

マルチコアの時代の終わり?

Mooreの法則によって半導体の集積度があがり、シングルコアからマルチコア/メニーコアへの変化が起きていることはよく知られています。マルチコアでデザインされた高性能のプロセッサーが続々投入されています。講演ではそのいくつかを紹介したいと思います。ただ、ここにきて、マルチコアによるチップの性能向上の時代は終わりつつあり、新しいアーキテクチャーが求められているという議論と実践が生まれています。講演では、そうした動きも紹介しようと思います。

Heteroなシステムへの関心

一つの流れは、AMDとARMが推進する、Heterogeneous System Architecture(HSA)の取り組みです。そこでは、プロセッサー内部のマルチコアのCPUとメニーコアのGPUが、別々のメモリー空間を持ち、プログラミングのモデルも別々であることに注目して、CPUとGPUが単一のメモリー空間を持つハードウェアを構築し、あわせて、そうしたハードウェアを生かすプログラミング・モデルを提供しようとしています。

専用ハードウェアへの志向

もう一つの流れは、CPUのパワーだけに頼らず、用途に応じて専用のハードウェアを設計して、必要な箇所に投入しようという動きです。ここでは、動的に機能をプログラムできるFPGAに注目が集まっているように見えます。データセンターで、既に実際に利用されている、高性能のロードバランサーやネットワーク・スイッチなどの専用アプライアンスの導入も、大きく見ると、こうした流れの一環と見ることができます。

クラウドのアークテクチャーへの波及?

こうした、マルチコアのCPU以外のHeteroなハードウェアをシステムに投入しようという動きの中で、丸山が特に注目しているのは、Microsoftの検索エンジンBingが、FPGAを検索の高速化に利用しようとしていることです。それは、SoC(System on Chip)をHetero化するとは違うレベル、現在のクラウドの基本構造であるHomogeneousなサーバーのScale-out ArchitectureをHetero化する試みとして捉えることができます。 講演では、こうしたトピックスを、取り上げたいと思います。ご期待ください。

参考資料

マルレク講演資料「マルチコアのプログラミング技法」

 

エンタープライズと機械学習技術 — Big Data と Deep Learning —

マルゼミ2014-2015 第四回/12月4日(木) 開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「エンタープライズと機械学習技術 — Big Data と Deep Learning — 」
  • 講演 :

丸山不二夫 演資料の閲覧はこちらから。(12/03)
得上竜一 (株式会社マイニングブラウニー)
北川剛     (日本マイクロソフト株式会社)

  • 日時 : 2014年12月4日(木) 19:00 ~ 21:00
    (開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30)
  • 会場 : 日本マイクロソフト株式会社 本社 セミナールーム (品川)
    (東京都港区港南2-16-3 品川グランドセントラルビル)
  • 申込受付 : 2014年11月27日(木)12:00 ~ 12月3日(水) 12:00
    申込み : こちらから。 (終了しました)
  • 受講   : 無料
  • 定員   : 130人 (申込先着順)

講演概要

「Azure ML Studioを使う」 丸山不二夫

Azure ML Studioは、誰でも、機械学習技術を簡単に「実験」してみることが出来る優れたツールです。講演では、Azure ML Studioを使って、クレジットカードの与信の可否を判断するシステムを作ります。

「インターネットを入力とする機械学習」 得上竜一

機械学習と言えば最近ではIoTや、認識、行動ログの分析に利用されている事例が目立ちますが、インターネットをデータの入力としたら、どんな事が出来るのか実例を紹介します。

「機械学習の身近な利用例」 北川 剛

デバイスから送付されたデータを Azure ML の Web Service API に渡し、予測を得るデモンストレーションと、開発の流れについて30分で説明します。

参考資料

マルレク第四回講演資料「エンタープライズと機械学習技術」

エンタープライズと機械学習技術 — Big DataとDeep Learning —

マルレク2014-2015 第四回/11月25日(火) 開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「エンタープライズと機械学習技術 — Big DataとDeep Learning — 」
  • 講演 : 丸山不二夫
  • 講演資料の閲覧はこちらから。
  • 日時 : 2014年11月25日(火) 19:00 ~ 21:00
    (開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30)
  • 会場 : 日本マイクロソフト株式会社 本社 セミナールーム (品川)
    (東京都港区港南2-16-3 品川グランドセントラルビル)
  • 申込受付 : 2014年11月18日(火)12:00 ~ 11月21日(金) 12:00
    申込み : こちらから。 (終了しました)
  • 受講   : 無料
  • 定員   : 150人 (申込先着順)

※1 講演終了後、日本マイクロシフト様のご厚意により懇親会を予定しています。

講演概要

エンタープライズへの機械学習技術の導入

ニューラル・ネットワークをはじめとする機械学習技術は、画像・音声認識、自動車・ロボットの自動制御等で、大きな成果をあげながら、現代のIT技術の重要な分野として成長しつつあります。

ここにきて、機械学習技術をエンタープライズ分野に応用しようという動きが、高まっています。GoogleのPrediction API、MSのAzure Machine Learning、IBMのWatson Contents Anakyticsと、主要ベンダーが、エンタープライズ向けの機械学習技術のプロダクトを投入を始めています。

講演では、こうした動きの背景を分析するとともに、こうした技術が、近未来のビジネスにどのようなインパクトを与えるのかを考えていきたいと思います。

「誰もが」機械学習を利用する時代に!

注目すべきことは、これらのプロダクトが、データ分析や機械学習モデルについて専門的な知識を、必ずしも前提とせずに、基本的には、「誰でも利用できる」ことを、基本的なコンセプトとして開発されていることです。

「Smart Computer」の登場

もう一つ重要なことがあります。それは、前述の「開発の容易さ」「利用の容易さ」を追求する流れとも結びついているのですが、人間がプログラムを作成し機械がそれを実行するのではなく、与えられたデータから、機械自身が行うべき処理を学習していく、近未来の「Smart Computer」の萌芽として、エンタープライズでの機械学習技術の利用を捉えることができるということです。

機械による自然言語の理解と並んで、自ら学習し自ら問題を解く、「Smart Computer」の登場は、機械と人間との関係に、大きな変化をもたらすことになると思います。

参考資料

人間の思考、機械の思考

マルゼミ2014-2015 第三回/10月7日(火) 開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「人間の思考、機械の思考」
  • 講演 :

丸山不二夫  「人間にできること — 人間 vs 機械」
講演資料の閲覧はこちらから。
金山 博   「質問応答システムWatsonの技術」
細金正隆    「脳の生体信号を使った感性把握ビジネス」

  • 日時 : 2014年10月07日(金) 19:00 ~ 21:00
    (開場・受付 18:30 ~ 19:30)
  • 会場 : KDDI株式会社 ヒカリエオフィス34階 MAGELLANIC(マゼラン)
    東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ 34階
  • 受講申込受付開始 : 2014年9月30日(火) 12時 ~
  • 受講申し込み : こちらから。(終了しました)
  • 受講 : 無料
  • 定員 : 60人 (申込先着順)

「人間にできること — 人間 vs 機械」

 

講演概要

人間に出来ること — 人間 vs 機械

丸山不二夫

「賢い」機械たちが次々と登場し、ネットワークが「知識」の担い手として成長する中で、機械・ネットワークと人間との「共存」は、私たちの日常的な風景になりつつあります。こうした中で、あらためて、私たち人間に出来ることを考えてみようと思います。

質問応答システムWatsonの技術

金山博  IBM東京基礎研究所

2011年に米国のクイズ番組で人間の解答者に勝利したIBMの質問応答システム Watson の技術の中核部分について概説し、挑戦の意義・開発の経緯や自然言語処理 技術の面白さなどについてお伝えいたします。

脳の生体信号を使った感性把握ビジネス

細金正隆  電通サイエンスジャム

・先端科学×アイデア×クライアント
・検索の先へ。人の感性を読み取ることで生まれるサービス
– MICO 脳波による音楽リコメンドサービス(プロトタイプ)
– 感性アナライザーとプラスカムの紹介
・最新事例  脳は知っている。
・現状の課題と展望

参考資料

「人間の思考、機械の思考 — IT技術者のための機械による知能研究入門」 (データサイズ 60MB)

人間の思考、機械の思考 — IT技術者のための機械による知能研究入門

マルレク2014-2015 第三回/9月26日(金)開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「人間の思考、機械の思考 — IT技術者のための機械による知能研究入門」
  • 講演 : 丸山不二夫
  • 講演資料の閲覧はこちらから。(9/26)
    (データサイズ 60.2MB)
  • 日時 : 2014年9月26日(金) 19:00 ~ 21:00
    (開場・受付 18:30 ~ 19:30)
  • 会場 : KDDI株式会社 飯田橋駅前ビル12階会議室 (飯田橋)
    (東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル)
  • 申込受付 : 2014年9月19日(金)12:00 ~ 9月25日(木) 12:00
    申込み : こちらから。 (終了しました)
  • 受 講   : 無料
  • 定 員   : 200人 (申込先着順)

「人間の思考、機械の思考」

 

今年度のマルレクは、「グローバル・ネットワークと技術革新の展望」をテーマに、メディアとしてのネットワークと経済のネットワーク化という二つの面からネットワークの変化に注目して行きたいと考えています。第三回のテーマは、”人間の思考、機械の思考” です。

講 演 概 要

コンピュータが知能もつことは可能か?

IT技術の未来のビジョンの中で重要な位置を占めているのは、コンピュータがいずれ人間と同じように、知覚を備えパターンを認識し、言語と意味を理解し、知識に基づいて合理的な推論を行うようになるだろうという予想です。もちろん、こうしたことは機械には不可能だろうと考える人もいれば、可能かもしれないが実現のメドは今は立ってはいないと考える人もいます。こうした問題に興味はあっても、自分の仕事には直接関係はないと思っている人も多いはずです。

ただ、IT技術者にとって大事なことは、機械の知能にかかわって、現在、技術の大きな変化が進行していることだと思います。

「スマート」な機械たちの増殖

第一に、私たちのまわりの機械たちは、どんどん賢くなってきています。多数のセンサーを備えインターネットに接続する能力を備えたクラウド・デバイスは、「賢い機械」の第一世代です。スマートフォンは、文字通り「賢い電話」に他なりません。現在進行中の、センサー・ネットワークを中心とするIoTの世界の拡大、自律型のロボットや自動走行車などのCyber-Physical Systemsの世界の拡大は、プリミティブなものですが、機械の知能の進化として考えることが出来ます。

人間と機械のインターフェースの変化

第二に、私たちと機械のインターフェースも、大きく変わろうとしています。人間とコンピュータの主要なインターフェースは、キーボード・マウスから、タッチ・スクリーンへと変化してきましたが、今また、自然言語を利用したインターフェースが現実に利用されるようになっています。キーボードもスクリーンも持たないウェアラブル・デバイスの技術の中核は、自然言語によるインターフェースです。自動車やロボットでも、そうした技術が採用されて行くでしょう。

検索と広告の変化

第三に、21世紀のIT技術の変化を牽引しているのは、大規模分散システム上の検索と広告の技術だと、丸山は考えています。ここでも、大きな変化がすすんでいます。検索では、単なる文字列の検索から「知識」の検索への模索が、広告では、単純なコンテンツ連動のリスティング広告から、モバイルと個人をターゲットにした広告への変化が進行中です。しかも、そのいずれもリアルタイムの処理が求められています。個人をターゲットにした広告では、個人が望む時に、その個人が望む内容のコンテンツをリアルタイムに配信することが技術の目標になります。それは、個人の嗜好や振る舞いを機械が予測する能力を持つことを目指すことに他なりません。

講演の柱

三つほど例を挙げましたが、現代のIT技術者にとって、機械の「知能」に関心を持つことは、実践的にもビジネス的にも、小さくはない意味を持つと考えています。

講演では、機械の知能研究の入門講座として、エピソード中心に、予備知識なしでも、現状と課題のオーバービュウが得られるようできればと考えています。次のような柱で、話をしようと思っています。皆さんの来場をおまちしています。

・機械学習・Deep Learningとは何か? それが可能としたこと。
・言語理解へのいくつかのアプローチ
・未来展望。人間の特質を、あらためて考える。

ノート

3Dププリンターとロボットの世界

マルゼミ2014-2015第二回 / 8月1日(金)開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「3Dププリンターとロボットの世界」
  • 講演 :

丸山不二夫  「CyberとPhysicalのあいだ」
大迫幸一   「3Dプリンターの未来」
中川由紀子  「ロボットのいる生活とIT」

  • 日時 : 2014年8月01日(金) 19:00 ~ 21:00
    (開場・受付 18:30 ~ 19:00)
  • 会場 : 株式会社カスペルスキー 本社 トレーニングルーム (秋葉原)
    東京都千代田区外神田3-12-8 住友不動産秋葉原ビル
  • 受講申込受付開始 : 2014年7月28日(金) 12時 ~
  • 受講申し込み : こちらから。(終了しました)
  • 受講 : 無料
  • 定員 : 30人 (申込先着順)

3Dプリンターとロボットの世界

今回のマルゼミは、7月23日開催のマルレク「Cyber-Physical Systemsと自律分散システム」を受けて、Cyber-Physical Systemsの身近な具体例である、3Dプリンターとロボットを取り上げます。少人数の集まりですので、参加者で活発なディスカッションが出来ればと考えています。

ショートセッション概要

セッション1: 「CyberとPhysicalのあいだ」

丸山不二夫

Cyber-Physical Systemsは、技術的な用語です。ただ、CyberとPhysicalの対比lには、いろいろなメタファーが可能です。バーチャルなネットワーク上のコミュニケーションの世界と、実世界での労働やビジネスの世界の対比もその一つです。近未来の、両者が交わる世界を想像してみるのは楽しいのですが、そこでは、3Dプリンターやロボットが、とても重要な役割をはたす可能性があります。

セッション2:「3Dプリンターの未来」

大迫幸一 Bonsai lab

最近のMakersの盛り上がりがIT技術によってどのような広がりを見せるのか? 。

セッション3:「ロボットのいる生活とIT」

中川友紀子 RT Corporation

IT系の大企業が相次いでロボットの開発を表明し始めました。何を目的としてIT系の企業がロボットの開発に取り組み始めたのか、どのような技術開発や予算が必要なのか。IT系が今からできることは何か、メディアとしてのロボットなどを話題として取り上げます。Google I/Oで発表したロボットやソフトバンク系ベンチャー向けのロボットを開発してきた株式会社アールティの中川がITとロボットについての開発最前線について、お話します。  シェア1件いいね!既に日本では2001年からクルマが無線通信とつながりIoTを実現していた。今後、指数関数的な半導体の技術進化によりクルマは人工知能を持ち、同時に携帯網を中心とした無線通信の常時接続性を獲得することにより、クルマとクラウドが知的センサーネットワークを形成し自動運転の実現を加速化する 。

参考資料

「CyberーPhysical Systemsと自動分散システム」

Cyber-Physical Systemsと自立分散システム

マルレク2014-2015 第二回/7月23日(水)開催 (終了)
  • 開催テーマ :  「Cyber-Physical Systemsと自立分散システム」
  • 講演 : 丸山不二夫
  • 講演資料 閲覧はこちらから。(データサイズ 11.7MB)
  • 日 時 : 2014年7月23日(水) 19:00 ~ 21:00
    (開場・受付 18:30 ~ 19:30)
  • 会場 : GMOインターネット株式会社 本社 Yours (渋谷)
  • 申込受付 : 2014年7月16日(水) 12:00 ~ 7月22日(火) 10:00
    申込み : こちらから。 (終了しました)
  • 受講   : 無料
  • 定員   : 200人 (申込先着順)

「Cyber-Physical Systemsと自立分散システム」

今年度のマルレクは、「グローバル・ネットワークと技術革新の展望」をテーマに、メディアとしてのネットワークと経済のネットワーク化という二つの面からネットワークの変化に注目して行きたいと考えています。第二回のテーマは、”Cyber-Physical Systemsと自律分散システム” です。

講演概要

Cyber-Physical Systemsとは何か?

Cyber-Physical Systems(CPS)とは、コンピュータの計算能力と物理的なシステムの能力が結びつけられて両者がしっかりと協調するシステムのことを指します。組込み系を中心としたリアルタイムの処理技術と、機械の制御を中心とするディジタル・アナログのハイブリッド技術の二つが合流して生まれたたものです。2006年にアメリカのNSFが大学や研究機関にCyber-Physical Systems研究に大規模な資金提供を始めて、全世界にこのコンセプトは広まりました。

Cyber-Physical SystemsとIoP

Cyber-Physical Systemsのコンセプトは、”Internet of Things (IoT)”のコンセプトとも多くの共通部分を持ちます。ただ、この二つのコンセプトには、違いも存在します。IoTは、今日では、「多数のデバイスやセンサーが、(インター)ネットにつながること」と理解されることが多く、また、そこから発生する大量のデータの処理にも関心が向けられることが多いのですが、CSPでは、関心の中心は、あくまでもコンピュータによる物理系のリアルタイムの制御に置かれます。インターネット接続を必ずしも前提としない、自律型のロボットや、3Dプリンターは、Cyber-Physical Systemsの一つの例です。

CyberとPhysicalの違い

Cyber-Physical Systemsのコンセプトで重要なことは、コンピュータやネットワークのプログラムを中心とするCyberな世界と、現実の機械を中心とするPhysicalな世界が、まったく異なる原理でドライブされているという認識です。Cyberの世界は、論理的・数学的な「正しさ」が基本原理です。その意味では、その原理は抽象的なものです。一方、Physicalな世界を動かしているのは、最終的には、物理法則です。それは、具体的で現実的なものです。Cyber-Physical Systemsは、この異なる二つの世界が結びついたシステムです。

我々が作成するプログラムの多くは、その「正しさ」を、論理的にチェックすることが出来ます。例えば、N個の数字を小さい順に並べ替えるソートのプログラムが、もしも期待どおりに動かないならば、我々は、何度もプログラムを走らせなくとも、我々の頭だけを使って、原理的には、机上でもそれをデバッグすることが出来ます。それがCyberの世界です。
ただ、今度は、「二足歩行するロボット」のプログラムを考えてみましょう。ロボットを実際に歩かせること無く、このプログラムのデバッグが出来るでしょうか? それは出来ません。論理的には問題の無い完璧なプログラムであっても、動かしてみてロボットがこけるならば、そのプログラムは役には立ちません。Cyber-Physical Systemsの世界は、こういう世界です。そこでは、Physicalな現実が一番大事で、プログラムは、そうした現実の抽象的で部分的なモデルにすぎません。もちろん、プログラムなしには、ロボットは、ピクリとも動くことができないのですが。

ノート

IoTを考える

マルゼミ2014-2015 第一回/6月20日(金)開催
  • 開催テーマ :  「IoTを考える」
  • 講演 :

丸山不二夫
野辺継男(INTEL株式会社)
川田大輔(ATOLL PROJECTアーキテクト)

  • 日時 : 2014年6月20日(金) 19:00 ~ 21:00
    (開場・受付 18:30 ~ 19:00)
  • 会場 : 株式会社 NTTドコモ
    千代田区永田町2-1-1 山王パークタワー
  • 受講申込受付開始 : 2014年6月16日(月火) 12時 ~
  • 受講申し込み : こちらから。(終了しました)
  • 受講 : 無料
  • 定員 : 30人 (申込先着順)

マルゼミ2014-2015第一回 「IoTを考える」

今年度のマルレク・マルゼミは、「グローバル・ネットワークと技術革新の展望」をテーマに、メディアとしてのネットワークと経済のネットワーク化という二つの面からネットワークの変化に注目して行きたいと考えています。
今年度のマルゼミは、先行して行われたマルレクの内容に関連したテーマで、丸山の他に何人かのゲストに、ショート・セッションを持っていただいて、ゼミ参加者で突っ込んだ議論を行いたいと思っています。

ショート・セッション概要

セッション1: 「IotとCyberーPhysical Systems」

丸山不二夫

IoTとCyber-Physical Systemsのコンセプトを比較しながら、Industrie 4.0やProject AraといったいくつかのCyber-Physical Systemsプロジェクトを取り上げて、その課題を考えます。

セッション2: 「IoTはクルマの自動運転実現に不可欠」

野辺継男 Intel株式会社

既に日本では2001年からクルマが無線通信とつながりIoTを実現していた。今後、指数関数的な半導体の技術進化によりクルマは人工知能を持ち、同時に携帯網を中心とした無線通信の常時接続性を獲得することにより、クルマとクラウドが知的センサーネットワークを形成し自動運転の実現を加速化する

セッション3: 「機械と人間 思考実験としてのSF」(仮題)

川田大輔 atoll Project アーキテクト

未来を予測する最善の方法はそれを発明することだ、と言ったアラン・ケイは1972年に、こんなのあったら良いなぁとポンチ絵を描きました。ずいぶん時間がかかりましたが現在の子供たちはケイの描いたとおりのコンピューティング環境を手にしています。未来を発明するためには、まず未来を想像する必要があるのです。古今のSF作品をつまみに想像の翼を広げてみましょう。

「スマホが変わる。スマホのつくり方が変わる」

マルレク特別編/6月11日(水)開催

今回のマルレク特別編は、マルレクと日本Androidの会とBLEガジェット勉強会の合同勉強会として開催します。

テーマは「スマホが変わる。スマホのつくり方が変わる。」で、Googleの新しいプロジェクトであるProject Araを取り上げます。

開催テーマ : 『 スマホが変わる、スマホの作り方が変わる。
— Project Araと新しいモノづくりのエコシステム 』

講演1 「Project Araの概要」

佐々木 陽 (株式会社G Clue 代表取締役/Fab蔵 代表)

Project Araは、次の50億人に届くモジュール型スマートフォンのプロジェクトです。
Google ATAPにより推進され、ハードウェアのイノベーションを現在の5倍の速度に高め、ソフトウェアのイノベーションと同等レベルにするための様々な仕組みが提供される予定です。
Project Araの全貌と概要に関して解説します。

講演2 「Project Araのアーキテクチャー解説」

永井 健一 (Project Ara研究家)

Project Ara Developer ConferenceとMDKからAraのアーキテクチャを解説します。
そして、Araの理想と現実を踏まえ、モジュールを設計するために、今から出来ることをお話します。

講演3 「Project Araと3Dプリンター」

足立 昌彦(adamrocker) (株式会社カブク CTO/ Yokoi Yasuhide)

講演4 「Project Araと新しいものづくりのエコシステム」

丸山 不二夫

現在、「ものづくり」の世界で起きている、ドイツの”Industrie 4.0″、アメリカのオバマ政権の”Made in USA”、GEの”First Build”等の新しい流れを紹介します。
Project Araのスマホづくりのビジョンが、こうした流れと深い関係にあることをお話しします。

講演資料 閲覧はこちらから。 (公開 6/10)
(データサイズ 15.3MB)

開催概要

  • 日時 : 2014年6月11日(水)  講 演 18:25~20:00 (開場 18:00 )
  • 懇親会 20:15~21:30
  • 会場 : 東海大学 高輪キャンパス 2号館 大講義室
    (東京都港区高輪2-3-23)
  • 受講申込開始 : 2014年6月4日(水) 12:00~
  • 受講申し込み : こちらから (終了しました)
  • 受講 : 無料 (先着順)
  • 定員 : 500人
  • 主 催 :

日本Androidの会
BLEガジェット勉強会
丸山事務所

  • 共催 : 東海大学 情報通信学部 Android研究会

「スマホが変わる。スマホの作り方が変わる ‐‐ Project Araと新しいものづくりのエコシステム 」

講演概要

スマホの「モジュール化」で60億人のプラットフォームを

Project Araは、現在のスマホの形を変えて行くでしょう。それは、レゴ・ブロックのように、様々のモジュール(CPU、ディスプレー、バッテリー、WiFi、カメラ、各種センサー等々)を組み合わせてスマホを構成します。例えば、CPUモジュールを取り替えるだけで、簡単に最新最速のスマホに変わるでしょう。また、自分だけのスマホをカスタマイズすることも出来ます。

それぞれのモジュールは一つのバスに接続され、統一されたプロトコルで相互に高速通信します。それは、「モバイル・システムの複雑さは、システムのデザインをネットワークで相互接続されたよく定義された機能モジュールに分割する事で低減出来る」という考えに基づいています。こうしたアイデアは、10年以上前からありましたが、Project Araの新しいところは、実際の製品レベルでこのアイデアを実現しようとしているところにあります。

スマホのモジュール化には、別の大きなメリットがあります。現在、競争の激しいスマホの市場に参入するには、資金・設備・部品供給等で大きな障壁があります。誰もがスマホをつくれる訳ではないのです。ところが、スマホそのものではなくそのモジュールをつくるという事になれば、障壁は大きく下がります。スマホのメーカーに「部品」を供給するのではなく、スマホのモジュール市場に「製品」を出して行くという事になれば、モジュール・メーカーが独自にモジュールに新しい機能や付加価値をつけて、新しいビジネス・チャンスが広がります。この点では、世界のスマホに、多くの部品を提供している日本にとっても、スマホのモジュール化は大きなチャンスになります。 結果的に、スマホの市場に参加するプレーヤが拡大し、ビジネスが活発化して、全体としてはスマホの値段も下がって行くでしょう。

Project Araは、「60億人に、安価なプラットフォームを提供する」ことを目指しています。世界人口の大部分がスマホを通じてインターネットに接続するというNext Billionsの実現にはスマホの低価格化が不可欠です。スマホのモジュール化は、その為の大きなステップになると思います。Googleは、Project Ara で、2015年の1月には、50ドルのスマートフォンを発売すると宣言しています。

開発ツールMetamorphosysの無償提供

Androidの会には、アプリの開発者の方が多いのですが、Project Araでは、出来るだけ多くのプレーヤが、Araモジュールの制作に参加してもらう事を重視しています。その中には、今までハード制作の経験の少ない人も含まれています。それでは、どのようにしてモジュール開発者を増やそうとしているのでしょうか?

Project Araで僕が最も注目しているのは、Googleが、Araモジュールの製造に必要な「ツール」群をすべてオープンソースとして無償で提供しようとしている事です。”MetaMorphosys”というツールです。まだアルファ版も公開されていないのですが、これが、Project Araの中核部分だと、僕は思っています。

“MetaMorphosys”は、とてつもなく強力なツールです。それは、Araモジュールの回路の設計から、そのシミュレーションとテスト、そして3Dプリンターへの出力まで、全てこなします。設計した回路がモジュールの容積内に収まるか、電波の干渉はないか、発熱はどうか、どれぐらいのスピードで動作するか、そうした事もチェックします。それが、個人にも無償で配布されるのです。

“MetaMorphosys”は、Google単独の製品ではありません。その元になったのは、複雑で異種混合環境のCyber-Physicalシステムの為の、モデル・ベースの設計方法を開発する事を目的としたDARPの”META”というプロジェクトです。 DARPAは、2013年の1月に、METAをオープンソースとして公開します。”MetaMorphosys”は、これを拡張したものです。それが、名前にmetaを含むのは偶然ではないと思います。

ソフトウェアの生産性の向上では、オープンソースのIDEであるEclipseというツールが果たした役割は大きいと思います。”MetaMorphosys”は、いわば、「ものづくり」でのEclipseだと思えばいいと思います。ただ、現実世界へのインパクトは、Eclipseよりもっと大きいと思います。実際に、「もの」が出来るのですから。それに、ハードウェア設計の専門家でなくても、Araのモジュールをデザインすることが出来るというのですから。

「モノづくり」の新しいエコシステム

スマホのモジュール化をすすめ、モジュール制作の裾野を広める為に強力なツール群を無償配布する。こうしたProject Araの動きは、「モノづくり」という観点からみると、とても興味深いものです。僕は、Project Araは、21世紀の「モノづくり」の新しいエコシステムの先駆けになるだろうと考えています。

Androidの会の活動の中でも、ArduinoやBLE/iBeaconに対する関心は高いものがあります。IT技術者の中に起きている「モノづくり」への回帰ともいうべきMakeやFab、3Dプリンターへの関心等、萌芽的なものですが、「モノづくり」に対する意識の変化の兆候は、いろいろなところに現れています。また、Google PlayやApple App Storeといった、ネットワーク・マーケットの成立とその成熟を通じて、単に企業としてだけでなく、個人が個人として、グローバルな市場に自分の制作物を提供する経験を多くの開発者は積んできています。そしてオープンソースでの情報の共有が、ビジネスを弱めるのではなく活発にさせうるという考えは、着実に広がっています。今はまだ小さな変化かも知れませんが、こうした流れが、新しい「モノづくり」のスタイルに影響を与えて行くのは確実です。Project Araは、こうした流れの延長上にしっかりと立とうとしているように思えます。

現実に、Project Araが、どのように進んで行くのかは、まだ、よく分からないところがあります。あまりに理想的すぎて現実的にはうまく機能しないだろうと感じる人もいるでしょう。ただ、新しい「モノづくり」の未来を考えるなら、次のような視点は重要なものです。第一次産業革命での綿製品、第二次産業革命での自動車のように、生産の大きな変革は、その当時、もっともコモディティした商品の生産の場で起きてきました。「モノづくりの」の新しい変化が、現代のもっともコモディティ化した製品であるスマートフォンの生産の場で起きると考えて不思議はないのです。

IoTを考える — エンタープライズとビッグデータとウェアラブル

マルレク 2014-2015 第一回 /5月20日開催
  • 開催テーマ :  「IoTを考える — エンタープライズとビッグデータとウェアラブル」
  • 講演 : 丸山不二夫
  • 開催ノート

(1) エンタープライズ編はこちら
(2) ビッグデーター編はこちら
(3) ウェアラブル編はこちら

  • 講演資料 閲覧はこちら。  (資料データサイズ 38.4Mb)
  • 日時 : 2014年5月20日(火) 18:30 ~ 20:30
    (開場・受付 18:00 ~ 19:00)
  • 会場 : 富士通株式会社 富士通ソリューションスクエア  S棟3F (蒲田)
  • 受講申込受付開始 : (予定) 2014年5月13日(火) 12時 ~
  • 受講申し込み : こちらから。  (終了)
  • 受講 : 無料
  • 定員 : 200人 (申込先着順)

「IoTを考える — エンタープライズとビッグデータとウェアラブル」 2014年5月20日

この数年来、丸山は「クラウドとクラウド・デバイス」という切り口で、ITの世界の変化に注目してきました。現在では、クラウド技術の受容は基本的なトレンドとなり、クラウド・デバイスはグローバルな規模でその普及が進行しようとしています。重要な事は、これからの十年でスマートフォンが新たに数十億人に普及するだろうというNext Billions の近未来は、世界人口の大多数がインターネットに接続するだろうということを意味しているという事です。このインターネットのグローバル化は、20世紀の後半から始まり現代の社会と経済に大きな影響を与えてきたIT化の一つの段階が終わり次の段階が始まるという世界史的な変化といっていいものです。

こうした展望のもとに、今年度のマルレクは、「グローバル・ネットワークと技術革新の展望」をテーマに、メディアとしてのネットワークと経済のネットワーク化という二つの面からネットワークの変化に注目して行きたいと考えています。第一回のテーマは、”Internet of Things” です。IoT については、いろんな議論が行われていますが、出来るだけ広い角度から、我々が実践的に準備すべき課題を明確に出来ればいいと思います。

講演概要

”Internet of Things” の意味するもの

最初に確認したいのは、”Internet of Things” といっても、これからのインターネットが、「モノのインターネット」に変化して行くわけではないだろうという事です。今後のインターネットで、もっとも重要な変化は、先にも書きましたが、インターネットを利用する個人のグローバルな規模での拡大です。インターネットは、引き続き「ヒトのインターネット」であり続けると思います。それは、人と人を結ぶコミュニケーションと情報共有・個人の自由時間の享受にかかわるメディアとして、今後も様々な展開を見せるでしょう。

それでは、”Internet of Things” というネーミングとその未来予想をドライブしているものは、どのようなものなのでしょうか? それは、現在のインターネット利用の中心である「ヒトのインターネット」「メディアとしてのインターネット」以外に、インターネットが利用出来るという期待なのだと思います。

新たな「産業革命」 — “INDUSTRIE 4.0”というビジョン

僕は、意識的であれ無意識的であれ、こうした流れをドライブしているのは、全人類を包摂するグローバルなネットワークの成立に伴って、経済の全領域で、そのIT化・ネットワーク化が、歴史的に新しい段階に入って行くだろうという予感だと考えています。この点では、ドイツが国をあげて推進しようとしている ”INDUSTRIE 4.0” のビジョンや、アメリカのSmart Manufacturing Leadership Coalition (SMLC) の取り組みは興味深いものです。

”INDUSTRIE 4.0” では、18世紀末の蒸気機関の導入を第一次の産業革命、20世紀初頭に始まる電気を動力とする大規模工場生産を第二次の産業革命、1970年代に始まり今日まで続いている、電子技術・ITを利用した生産の自動化を第三次の産業革命と捉えます。その上に、ネットワークのサイバー空間と物理的な生産の世界が結びついた第四の産業革命が始まるというビジョンです。こうした展望を、”Internet of Things” の未来の中心部分に位置づける事は、とても大事な事です。

「エンタープライズ」の変化

全地球規模でのインターネットの拡大を待たずとも、ITと経済活動は深い結びつきを持っていました。IT技術の発展とともに、ITと経済活動の接点は拡大してきました。私たちが、「エンタープライズ系」と呼ぶシステムは、その代表格です。

エンタープライズのシステムには、基幹系・勘定系と呼ばれる領域と情報系・Web系と呼ばれる領域が並存しています。そうした構造は歴史的に形成されたものです。歴史的には前者が先行し、後者は、比較的新しいものです。ただ、二つの領域は、切り離されている訳ではありません。20世紀末から21世紀のはじめにかけての時期、インターネットとその技術の急速な普及を背景として、サーバー・サイドのWebアプリのスタイルが登場し、その中で、二つの領域を統合する事が、エンタープライズ・システムの技術的な中心課題になります。こうして、前面にWebのサーバー、後方にデータベースを置き、中間にビジネス・ロジックを置くという現在のエンタープライズ・システムの骨組みが完成します。この骨組みは、現在のエンタープライズのクラウド利用にも基本的に引き継がれています。

「エンタープライズ」という名前を冠しているのですが、現在の狭義のエンタープライズ・システムと経済活動の接点は、まだ部分的なものです。例えば、工場の生産システムは、通常は、いわゆるエンタープライズ・システムとは切り離されています。サプライ・チェインや商品流通、広告や販売のシステムも、狭義のエンタープライズ系のシステムとは別のものです。ただ、経済の、生産-流通-消費の全過程でのネットワーク化の推進は、まず、エンタープライズ・システムの変化として現れると思います。

ノート

「IoTを考える(1)」エンタープライズ編
「IoTを考える(2)」ビッグデータ編
「IoTを考える(3)」ウエアラブル編