講演資料
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セミナーの概要
本セミナー「量子コンピュータで学ぶ量子プログラミング入門」は、IBM社が提供するクラウド量子コンピュータ「IBM Q」とオープンソースのQuantum開発キット「Qiskit」を用いて、量子情報理論の基礎から実機での量子プログラム実行までを体系的に学ぶハンズオン講座です。[p.1] 量子コンピュータは現在、ハードウェアとソフトウェアの階層が古典コンピュータのように分離されておらず、プログラミングはFPGAでの「ハードウェア記述」に近い段階にあります。このことは、量子コンピューティングの技術が歴史的にまだ誕生期にあることを意味しており、本セミナーはその最前線に学習者を導くものです。[p.17] 中心的なテーマは「量子の不思議さを理論と実装の両面から理解する」ことです。量子情報理論の三つの基本原理重ね合わせ、観測、ユニタリ発展を数学的に把握したうえで、Qiskitを用いて量子回路を組み立て、シミュレーションによる検証、実機IBM Qへのジョブ送信、そして量子エンタングルメントと量子テレポーテーションという最先端トピックへと展開します。[p.7〜8, p.60, p.68, p.77] アインシュタインが「馬鹿げた遠隔作用」と呼んで量子論の不完全性の根拠とした量子エンタングルメントは、1964年のベルの理論的証明、1982年のアスペによる実験的検証を経て正当化され、1993年のベネットらによる量子テレポーテーションの発見へと結実しました。2017年には中国の研究チームが地上と通信衛星間での量子テレポーテーションに成功しています。[p.70, p.77] 本セミナーは、こうした量子情報科学の壮大な流れをPythonとQiskitというプログラミング環境を通じて体験的に学ぶ、理論と実装が高度に融合した内容となっています。
講義のロードマップ
ここでは、セミナーの講演資料がどのようなパートから構成されているかを示します。また、それぞれのパートのポイントを紹介します。
■ Part 0: ハンズオン環境設定
AnacondaとQiskitの仮想環境を構築し、IBM Qアカウントを取得してAPIキーを保存するまでの環境セットアップを行います。Jupyter Notebookから操作することを前提としています。[p.1〜5]
■ Part 1: 量子情報理論の三つの基本原理
量子情報理論の数学的基盤として、qubitの状態表現(ケット記法)、観測による確率的崩壊、ユニタリ行列による状態変化という三原理を、x-y平面のベクトルとの類比から直観的かつ厳密に解説します。[p.7〜8]
■ Part 2: 量子回路を構成する
基本的な量子ゲート(X, Y, Z, H, CNOT, S, T)を組み合わせて量子回路を構成する方法を、QiskitのQuantumRegister・QuantumCircuit APIを用いて実装します。Serial・Parallel・コントロールの三種の接続方式を網羅的に体験します。[p.17〜18]
■ Part 3: 構成された回路はどのような働きをするのか?
各量子ゲートに対応するユニタリ行列を明示し、回路全体の動作をシミュレーションで確認します。行列のテンソル積という数学的準備を通じて、Parallel構成やCNOTの動作を一つのユニタリ行列として統一的に把握します。[p.30〜31]
■ Part 4: 構成した回路を観測する
古典レジスタ(ClassicalRegister)と計測操作(measure)を回路に追加し、qasm_simulatorで繰り返しショットを実行することで観測確率を実験的に確認します。位相情報は観測では区別できないという本質的制約にも踏み込みます。[p.51〜52]
■ Part 5: IBM Qで量子プログラムを実行する
QiskitをTerra・Aer・Ignis・Aquaの四要素で整理し、Aerでのシミュレーション確認から実機IBM Qへのジョブ送信、ノイズモデルを用いたノイズシミュレーションまでを一気通貫で体験します。[p.60〜61]
■ Part 6: エンタングルメント
量子エンタングルメントの数学的定義から、EPRペアの不思議な性質、Bell Stateの生成回路まで理解します。アインシュタインが「EPRパラドックス」と呼んだ問題がベルとアスペによって解決された歴史的経緯を踏まえます。[p.68〜70]
■ Part 7: 量子テレポーテーション
1993年のベネットらによる量子テレポーテーションのアルゴリズムを、ψ₀からψ₄までの状態変化計算を丁寧に追いながら理解し、最終的にQiskitでプログラムとして実装します。量子通信・量子暗号への応用という大きな文脈も示します。[p.77〜79]
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