人工知能と計算科学 -- 計算複雑性入門
2020/09/18 マルレク「人工知能と計算科学」概要
今年、「計算複雑性」という数学の一分野で大きな発見がありました。「それって、ITの世界と何か関係があるの?」と感じる人も多いと思います。確かに直接的にはたいした関係はないかもしれません。ただ、全く「関係ない」わけでもないのです。
90年前、ゲーデルの「不完全性定理」が発見された時、今日のようなITの世界は、影も形も存在しませんでした。ただ、ゲーデルの発見は、当時、「人間の認識の限界」について、山のような議論を巻き起こしました。これらの有象無象の議論の中で、出色のものが一つあったと僕は考えています。
それは「機械は考えることができるか?」というチューリングの問題提起だったと僕は考えています。数学的な命題であるゲーデルの定理を、いろいろ拡大解釈して人間の認識の限界と結びつけるのではなく、「機械だって、人間のように考えることができるんじゃないの?」と、機械の認識の可能性を対置したのですから。それが、現代の「人工知能」の出発点になりました。
チューリングはまた、「計算」というものについても深く考えます。チューリングとチャーチらは、現代の「計算科学」の基礎を築きます。チューリングを祖とする人工知能論における「計算主義」とは、人間の「知能」の本質を「計算」として抽象しようとするものです。僕は、基本的には、「計算主義」の立場に立っています。
9/18 マルレク 「人工知能と計算科学」では、ITの世界の「人工知能」と「計算科学」という二つの領域との関係を通じて、「複雑性理論」での新しい発見が、ITの世界にとって持つ意味を考えてみたいと思います。
もっとも、ゲーデルやチューリングの発見と同様に、現時点でその意味が全て明らかになっているわけではありません。ただ、我々は歴史から学ぶことはできると思います。今回のセミナーでは、「計算主義」の立場からそうした問題を考える素材を提供したいと思います。
資料解説
計算可能性理論 と Church-Turing Thesis
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計算複雑性理論
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「知能」の限界の数学的特徴付け -- 計算の理論の100年史
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Church-Turing Thesisの変化について
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Video Gallery
計算可能性理論 と Church-Turing Thesis
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計算複雑性理論
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「知能」の限界の数学的特徴付け -- 計算の理論の100年史
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Church-Turing Thesisの変化について
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