最新のトピック 「量子計算の古典的検証」
「量子計算の古典的検証」とは、量子コンピュータが人間の指示通りに働いているか、量子コンピュータの行なった計算が正しいものであるかを、人間がキチンと確かめると言うことです。こうしたことは、普通のコンピュータではごく普通に行われていることですが、量子コンピュータでは、それがとても難しいのです。
この10年以上、研究者たちは、実践的にも大きな意味のあるこの問題に取り組んできたのですが、なかなか答えが見つかりませんでした。それが、最近になって、この問題が肯定的に解かれました。解いたのは、若い大学院生 Urmila Mahadev でした。
今回のセミナーは、彼女の「量子計算の古典的検証」を取り上げます。
11/26 マルゼミ 「量子計算の古典的検証」
量子論の基礎を学ぶ
たとえ話で理解する量子の世界 (2020)
「量子の世界」を知るのに数学を利用するための準備を、数学を使わないで行います。数学の代わりに、ここでは多くの「たとえ話」を使おうと思います。
ケット |k> で理解する量子の世界 (2020)
ここでは、量子論を理解するのに必要な数学 — 線形代数の話を、ケット記法を使ってしようと思います。ケット記法は、量子論の最も標準的で基本的なツールです。ケット記法を理解することが、量子の世界を数学的に理解する第一歩になります。
YouTubeで学ぶ量子論の基礎 (2021)
ケット記法は、量子の状態をベクトルとして記述するための便利なツールです。ここでは、量子の状態に作用する様々な「演算子」 -- ユニタリ演算子、エルミート演算子、射影演算子 等 -- について学びます。
エンタングルメントで理解する量子の世界 (2020)
エンタングルメントは、現代では、量子の世界のもっとも基本的な現象だと考えられています。ただ、エンタングルメントをなにか神秘的で奇妙なものだという印象を持っている人も多いと思います。そういうイメージを払拭したいと僕は考えています。また、それは可能だと考えています。今回のセミナーの目的は、エンタングルメントを、できるだけ多くの人に理解してもらうことです。
密度行列 ρ で理解する量子の世界 (2021)
量子の世界を記述するには、ベクトルを使うやり方と密度行列を使うやり方があります。二つのアプローチは、量子の世界を記述しようという点では、基本的には同じ能力を持ちます。このセミナーでは、密度行列を使うやり方を学びます。
量子過程を図解するString Diagram (2022)
String Diagramは、直観では理解しにくい(むしろ直観に反した)量子過程の諸特徴を、数式を使わずに 「図式 Diagram」を使って、直観的に理解することを可能にする新しい方法です。それは、ベクトルを使うやり方とも密度行列を使うやり方とも異なるアプローチです。
量子コンピュータ入門
量子コンピュータ入門 (2020)
量子コンピュータに対する関心は確実に広がっています。もっとも、量子コンピュータで今日・明日にも世界が変わるわけではありません。ただ、10年-20年のスパンで考えれば、21世紀半ばの世界が、量子技術の活用によって大きく変わるのは確実だと僕は考えています。
紙と鉛筆で学ぶ量子コンピュータ入門演習 (2019)
量子コンピュータの振る舞いを理解するには、本を読んだり人の話を聞くだけではなく、実際に自分の頭で考えて自分の手を使って、具体的には必要な「計算」を行なってみることが大事だと考えています。本セミナーが、「紙と鉛筆で学ぶ」とタイトルに掲げているのは、そうした考えからです。
量子コンピュータをやさしく理解する三つの方法 (2019)
小論のタイトルを、「量子コンピュータをやさしく理解する三つの方法」としたのだが、実は、ここで紹介した三つの方法は、その対象読者も、「わかりやすさの」狙いも、それぞれ異なっている。小論が伝えたいことは、様々なレベルで「わかりやすさ」の探求が始まっていることと、それにはそれぞれ理由があるということである。また、こうした変化は、新しい時代の始まりの予兆だと僕は考えている。
量子コンピュータの現在 — 量子優越性のマイルストーンの達成
この間、量子コンピュータの世界で大きな動きがありました。昨年(2019年)10月、GoogleのMartinisらは、科学誌 Nature上で、Googleが開発した53qubitの量子プロセッサー Sycamore が、普通のコンピュータで解けば1万年以上かかる問題を 200秒で解いたとして「量子優越性」を達成したと発表しました。https://www.nature.com/articles/s41586-019-1666-5
量子コンピューティングの現状と課題 (2018)
人工知能と量子コンピュータ (2018)
量子コンピュータとは何か? (2017)
量子コンピューターの新しい潮流 — D-Waveのアプローチ (2013)
量子アルゴリズムを学ぶ
量子計算の古典的検証
「量子計算の古典的検証」とは、量子コンピュータが人間の指示通りに働いているか、量子コンピュータの行なった計算が正しいものであるかを、人間がキチンと確かめると言うことです。こうしたことは、普通のコンピュータではごく普通に行われていることですが、量子コンピュータでは、それがとても難しいのです。この10年以上、研究者たちは、実践的にも大きな意味のあるこの問題に取り組んできたのですが、なかなか答えが見つかりませんでした。それが、最近になって、この問題が肯定的に解かれました。解いたのは、若い大学院生 Urmila Mahadev でした。
ラティス暗号入門
今後の「ポスト量子暗号」の中心技術になると目されている「ラティス暗号」がどういうものであるのかを初等的に説明できたらと思っています。
ラティス暗号の代表的技術である、LWE (Learning with Errors)について、紹介しています。
暗号技術の現在 (2022)
2022年7月、米NIST ( National Institute of Standards and Technology )は、「ポスト量子暗号技術の標準化」についての重要な文書 NIST IR 8413 を公開しました。暗号化技術は、今、歴史的な転回点を迎えています。
「ポスト量子暗号技術」だけにフォーカスするのではなく、できるだけ多くの人に、現代の暗号技術の大きな流れを捉えてもらうことをセミナーの目標にしたいと思っています。
量子通信入門 — 量子ゲートで学ぶエンタングルメント
セミナーでは、量子のエンタングルメントを、量子通信入門の出発点に置きました。具体的には、計算基底をBell基底に変換する Bell State Gateと、その逆変換である、Bell基底を計算基底に変換するBell Measure Gateを、基本的な量子通信回路 / プロトコルの説明の基礎においています。
量子ゲートの
「量子情報と通信技術 -- 「量子インターネット」という未来」
暗号技術の現在 — ポスト量子暗号への移行と量子暗号 (2019)
量子情報技術と暗号化技術の関係は、二つの面から考えることができます。一つは、従来の暗号化技術を「破る」技術としての量子情報技術です。もう一つは、従来の技術(量子コンピュータを含めて)では達成できない「破られない」暗号化技術への量子情報理論の利用です。
Shorのアルゴリズム入門
量子コンピュータに対する関心を飛躍的に高めた「Shorのアルゴリズム」の紹介です。
- 任意の関数 f(x)を計算する量子回路
- 量子並列性を実現する回路の構成とその問題点
- 関数の「周期」を求めるSimonのアルゴリズム
といったトピックから、ショアのアルゴリズムを考えていきます。
量子フーリエ変換を学ぶ (2018)
Shorのアルゴリズムの中核である「量子フーリエ変換」のアルゴリズムとそれを実現する量子回路を、その前提である
- 古典的フーリエ変換
- ディジタルフーリエ変換
- 高速フーリエ変換
から学びます。