クラウドとクラウド・デバイスの新時代

目次

11月15日 マルレク第六回

テーマ:「 クラウドとクラウド・デバイスの新時代 」

Agenda

  • インターネットのグローバル化とその可能性
  • 技術革新の現在と新しい地平
  • 新しい社会的課題と展望

Part I インターネットのグローバル化とその可能性

  • デバイスとインターネットの現在
  • インターネットのグローバル化の一層の推進
    • Internet.org
    • Project LOON
  • インターネットのグローバル化の可能性
    • 携帯電話とデジタルデバイドとGoogle
    • Next BillionsとBOPビジネス
    • 国連世界情報社会サミット チュニス・コミットメント

デバイスとインターネットの現在

デバイスとインターネットの世界は、現在も急速に拡大を続けている。ITUが2013年7月に発表した、”ICT Facts and Figures 2013”から、 その流れを確認しよう。
http://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/stat/default.aspx

拡大を続けるICTの世界

携帯の所有率は、2013年、世界平均で96.2%に達し、台数で68億3500万台になる。
インターネットを利用する個人の割合は、2013年、世界平均で38.8%、人数にして27億4900万人。
モバイル・ブロードバンド(スマートフォン)を利用してインターネットにアクセスする個人の割合は、2013年、世界平均で29.5%、人数にして20億9600万人。

グローバルなスマートフォンの動向

2013年の第2クォーターのスマートフォンの出荷台数は、2億2500万台。
そのうち、Androidが1億7800万台で約8割。
昨年の同時期とくらべると、46.5%の増加。
地域別に見ると、アジア・パシフィックが74.1%、ラテン・アメリカが55.7%の増加。
総出荷台数は、2013年は9億台を超える勢い。
年間50%近い成長が続くなら、2014年は、Androidだけで、新たに10億台が出荷されることになろう。

Androidアプリ開発の可能性

グローバルに目を向ければ、Androidアプリのユーザーは、iOSアプリユーザーの5倍以上存在している。
日本Androidの会の会員の圧倒的多数は、アプリの開発者である。Androidのアプリ開発には、大きな可能性が広がっている
ポイントは、グローバルな市場に目を向けること。

インターネットのグローバル化の一層の推進

Internet.org

2013年8月20日、Mark Zuckerbergは「次の50億人」にインターネット・アクセスを利用可能にするという目的をもつ、グローバルなパートナーシップであるinternet.orgの立ち上げを発表した。
https://about.fb.com/news/2013/08/technology-leaders-launch-partnership-to-make-internet-access-available-to-all/

FacebookとInternet.org

「Facebookが行ってきたすべてのことは、世界中のすべての人たちに、接続しつながる力を与えることにかかわることであった。」
「発展途上の国々では、人々をつなげ、知識の経済に加えるうえで、巨大な障壁が存在している。Internet.orgは、グローバルなパートナーと手をたずさえて、現在、満足なインターネット・アクセスが与えられていない人たちに、それを利用可能にすることを含む、挑戦的な課題に立ち向かうだろう。」

Google: Project Loon

BALLOON-POWERED INTERNET FOR EVERYONE
http://www.google.com/loon/

PROJECT LOONとは?

我々の多くは、インターネットをグローバルなコミュニティだと考えています。しかし、世界人口の2/3は、いまだにインターネット・アクセスが出来ていません。
プロジェクトLOONは、成層圏を移動する気球のネットワークで、僻地や遠隔地の人たちをネットに接続し、ネットのカバーエリアの空白を埋め、また、災害のあとに、すみやかに人々がネットに戻ることが出来るように設計されています。

インターネットのグローバル化の可能性

携帯電話とデジタルデバイドとGoogle — Google TechTalk

Leonard Waverman, Chair, Economics, London Business School, Director, LECG
January 12, 2007
http://www.youtube.com/watch?v=W7A1tbnm2Ic

発展途上国の人々は、信じられないような
スピードで、過去においてとはまったく比較に
ならない速さで、新しいテクノロジーにアクセス
しようとしている。
デジタル・デバイドは、急速に終焉しようと
している。

その主役は、携帯電話である。

  – 世界銀行レポート 2005年2月

携帯電話について云えば、アフリカが世界で
もっとも急速に成長している地域である。
2005年の、携帯の西ヨーロッパの成長率は
10%だったのに対して、サハラ以南の地域の
成長率は、57%に上る。  
去年2006年では、アフリカでの新規の携帯
電話への加入者数は、北アメリカの加入者数
を上回っている。

   – Dr.Mo Ibrahim
     アフリカ最大の携帯電話会社Celtelの
     創設者・会長

携帯電話は、単なるファッションのアイテム
ではない。それは、「社会的な配当」を提供し、
生産性と経済成長を押し上げるのだ。
コミュニケーションのネットワークは、まず、何
よりも市場を拡大し、いい情報の流れを作り出
し、取引のコストを削減し、コストのかかるもの
の移動を置き換える。
ただ、2000年の国連のミレニアム・レポートも
コミュニケーション手段の重要性については、
見過ごしている。 経済の発展にとって、優れ
たコミュニケーションのシステムは、本質的に
重要である。   – Leonard Waverman

もしも、インドで一回の電話代が葉書よりも
安くなることが出来るなら、それは、全ての
家庭を変え、全てのインド人に力を与えるだろう。
それは、成功と成長への障害物を取り除き、
社会を分断しているあらゆる障壁を廃絶する
であろう。

   – Dhirubhai Ambani
       インド、ケララ州の漁民運動の指導者

Next BillionsとBOPビジネス

「BOPビジネスの現状とこれまでの取組について」 経産省

世界人口の約72%に相当する約40億人が年間所得3000ドル未満の収入で生活しており、その層がBOP(Bottom/Base of Pyramid)層と位置づけられる。
BOP層の市場規模は5兆ドルに上るとされ、欧米のグローバル企業の中には、これまで対象としていなかったBOP層をターゲットに据え、ビジネスと貧困削減の両立を目指す事例が出てきている。

国連世界情報社会サミット チュニス・コミットメント

2005年11月18日
World Summit on the Information Society : WSIS
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prompt/result_commitment.html

我々は、情報へのアクセスと知識の共有及び創造が、経済、社会、文化的発展の強化に大きく貢献するものであり、すべての国におけるミレニアム開発目標をはじめとする国際的に合意された開発目標の達成を助けることを認識する。
このプロセスは、ユニバーサルで、ユビキタスな、平等かつ手ごろな料金での情報へのアクセスに対する障害を取り除くことにより促進できる。

我々は、デジタル・ディバイド、特に開発途上国における、国家の経済、社会、文化の完全な発展と、人々の幸福の完全な実現を妨げているディジタルディバイドを解消するために、障害を取り除く重要性を強調する。

さらに、ICTは過去のどの時点よりもはるかに多数の人々が、人類の知識の基底の共有、拡張に参加することを可能にしており、あらゆる分野での人類の取り組みにおけるさらなる発展と、教育、保健、科学への応用にも貢献している。
ICTは、高度な教育へのアクセスの拡大、識字率の向上、全世界的な初等教育の向上、学習プロセスそのものの促進について莫大な可能性を持っており、文化的・言語的多様性を尊重する、完全に包括的で開発志向の情報社会及び知識経済を確立するための基礎を構築している。

Part II 技術革新の現在と新しい地平

  • ハードウェアの進化
  • 新しいグローバルなネットワークの形成と技術革新
  • 技術革新の新しい流れ

ハードウェアの進化

  • クラウド・デバイスの普及をドライブする、ハードの低価格化
  • クラウド・デバイスの高機能化・マルチコア化
  • ハードウェアの高機能化・マルチコア化

クラウド・デバイスの普及をドライブする、ハードの低価格化

クラウド・デバイスのグローバルな普及をドライブしているのは、その低価格化である。大量生産は、また、低価格化を可能にする。

クラウド・デバイスの高機能化・マルチコア化

低価格化だけではなく、ハードウェアの高機能化は、やむことなく続いている。近年のマルチコア化を中心とする進化はめざましいものがある。コンシューマー向けのクラウド・デバイスの世界は、こうしたハードウェア進化の「主戦場」になろうとしている。

ハードウェアの高機能化・マルチコア化

昨年末に公開された、IntelのXeon Phiは、60コアのチップである。アーキテクチャーは異なるが、NVIDIAのTeslaは、2496コアからなる。

スーパーコンピュータの動向2013 June Top 500
グローバルなネットワークへの変化の二つの基本的な方向

ここでは、先に見たデバイスとインターネットの量的な拡大が向かっている基本的な方向を、新しいネットワーク・メディアと、新しいネットワーク・マーケットのグローバルなスケールでの形成という二つの観点からとらえてみようと思う。これらの領域では、極めて活発な技術革新が進行中である。

新しいネットワーク・メディアとグローバル・ネットワークの形成

新しいネットワーク・メディアの骨組みを構成するのは、クラウド+クラウド・デバイスのプラットフォームである。
この新しいネットワーク・メディアは、21世紀初頭の携帯の拡大のように、2010年代を通じて世界人口の大部分を飲み込んで行くだろう。
この「量的拡大」は、重要である。こうして、言語・民族・国家によって隔てられてはいるが、世界人口の大部分を網羅した、「グローバルなネットワーク」が形成されるだろう

クラウドの更なる規模拡大とリアルタイム性の追求

ネットワーク・メディアのグローバル化は、先に見たように、クラウド・デバイスの高機能化・低価格化によって推進されている。
このグローバルなネットワーク・メディアは、ハードウェアの高機能化と大規模分散処理技術をベースにした、クラウド・プラットフォームの更なる規模拡大によって支えられる。
その中で、規模の更なる拡大を追求しながら、リアルタイム性を保証することが、クラウドとクラウド・デバイスのプラットフォームにとって、重要な課題として浮かび上がっている。

グローバルなネットワーク・マーケットと正確なトランザクション

遠くない将来、日常の消費行動を含め、全ての経済行動が、ネットワーク上で行われるようになるだろう。
これを担うシステムは、これまでのエンタープライズ・システムの規模を大きく超えるものになる。
と同時に、このネットワークは、正確なトランザクションが要求されることになる

Part II 技術革新の現在と新しい地平

  • 大規模分散システムの成立 — Gang of Four の時代の始まり
  • 大規模分散システムの進化 (1) — 大規模化とリアルタイム性の両立
  • 大規模分散システムの進化 (2) — 大規模化とリアルタイム性と 正確なトランザクションの保証
  • Webの世界の変化 — Thin Server Architecture

大規模分散システムの成立Gang of Four の時代の始まり

21世紀の初頭、かってない巨大な規模の分散システムがネットワーク上で稼働を始めた。現在のITを領導しているのは、こうした大規模分散システムを所有し、その上でサービスを提供しているGoogle, Amazon, Apple, Facebookといった企業達である。

クラウドとクラウド・デバイスの時代

クラウドの時代は、21世紀になってから本格的に始動した。すぐ後を追って、クラウド・デバイスの時代が始まった。

  • 2003年 Google GFSの論文発表
  • 2004年 Google上場 MapReduceの論文発表
  • 2006年 Google BigTableの論文発表
  • 2006年 Amazon EC2, S3
  • 2007年 Apple iPhone
  • 2008年 Microsoft Azure
  • 2008年 Google Android
  • 2012年 Facebook上場 

Part III 新しい社会的課題と展望