カテゴリー論基礎 2 -- Adjoint
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10/26 マルレク「カテゴリー論基礎 2」コンテンツ公開の詳細
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はじめに
今月のセミナーは、今年5月に行った「カテゴリー論基礎」 https://www.marulabo.net/docs/category-theory/ の続編です。
5月のセミナーでは、カテゴリー論の基本的な構成要素である、Category, Functor, Natural Transformation とは何かを概説し、その上で、LimitやCoLimit,という構成を可能にするUniversal Propertyというコンセプトを紹介してきました。
セミナーのテーマの順序の変更について
5月のセミナーでは、セミナーの続編について次のような予告を行なっていました。
カテゴリー論基礎 2「Presheaf と Copresheaf (Representable)」
カテゴリー論基礎 3 「Adjoint」
今回は、それとは順序が変わって、次のようになっています。
カテゴリー論基礎 2 「Adjoint」
Representable と Adjoint のどちらを先に紹介するかで、今回改めて考えた見ました。
マルレクのセミナーの流れから言うと、
「大規模言語モデルの数学的構造 I・II」
https://www.marulabo.net/docs/llm-math/ ,
https://www.marulabo.net/docs/llm-math2/
「AIとグラフ I・II 」
https://www.marulabo.net/docs/ai-graph/ ,
https://www.marulabo.net/docs/ai-graph2/
は、数学的には、いずれも copreshef やC-Set というカテゴリー論的なRepresentable を利用したものでした。
ですので、コテゴリー論のコースで、Representableを取り上げるのは、当然だと感じていました。ただ、カテゴリー論の基礎のコースとしては、前回のカテゴリー論の一般的な導入から、presheafやcopresheafといったトピックに移る前に、Adjointのこと触れた方がいいのかもと感じるようになりました。
Adjoint / Representable 概念の登場
実は、カテゴリー論が誕生したときに、5月のセミナーで紹介したような Category, Functor, Natural Transformation といった基本的な概念は出揃っていました。ただ、その道具箱の中には、Adjointという概念 は含まれてませんでした。カテゴリー論に、Adjointという概念を導入したのは、Daniel Kanの仕事です。
Kanは、Adjointという概念を武器に、「Kan Extension」という枠組みを作り上げ、従来のカテゴリー論の全てを、その枠組みのもとで再構成することに成功します。
もっとも、最初期のカテゴリー論の道具箱に含まれていなかったのは、Adjoint概念だけではありません。presheafやcopresheaf といったRepresentable たちも、そこには存在していませんでした。カテゴリー論へのpresheafやcopresheaf概念の導入では、Grothendieckが本質的な貢献をします。
Representableを先に取り上げるにせよ、Adjointを先に取り上げるにせよ、それらの理論は時間的にはカテゴリー論に後付けされたものですので、いずれを選んでも、5月のセミナーで紹介したカテゴリー論のもっとも基本的な内容とは、若干の飛躍があります。
今回は、Adjoint を先に取り上げようと思いますが、歴史的に形成されてきたカテゴリー論の基礎を学ぶ上では、両者の知識は必要なものです。
参考文献について
今回のセミナーの参考文献を上げたいと思います。
前回のセミナーと同様に、次の二つの資料は、おおいに参考になりました。
・Tai-Danae Bradley, Category Theory,
https://www.math3ma.com/categories/category-theory
・Tom Leinster, Basic Category Theory,
https://arxiv.org/pdf/1612.09375
今回のAdjointのセミナーについては、次の二つの資料を追加したいと思います。
・John Baez, Applied Category Theory Course
https://math.ucr.edu/home/baez/act_course/index.html
・Emily Riehl, Category Theory in Context
https://people.math.rochester.edu/faculty/doug/otherpapers/Riehl-CTC.pdf
前者は、カテゴリー論とその応用についての、初心者向けに書かれたわかりやすい素晴らしいテキストなのですが、Baezの叙述には、Adjoint概念が一貫して貫かれています。カテゴリー論の理解に、Adjoint概念の理解が重要であることがよくわかります。
後者は、少し難しいのですが、最終章のタイトルが、"All Concepts are Kan Extensions" になっています。カテゴリー論の全ての概念は、"Kan Extension" に包摂されるという立場で書かれたカテゴリー論のテキストです。
前回の「カテゴリー論基礎」はこちら
セミナーの開催にあたって
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Part 1 Adjoint functor成立以前
Adjointとは何か?
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Adjoint operator
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Galois connection
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Part 2 Adjoint functor
Adjoint functorの定義
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Forgetful functor とFree functor
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Free functor とベクトル空間
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𝐹𝑟𝑒𝑒 ⊣ 𝐹𝑜𝑟𝑔𝑒𝑡𝑓𝑢𝑙 のペアではないAdjoint functor
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Part 3 unit と counit
adjunctionのもう一つの定義
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unit と counit が存在すれば、adjunctionが成り立つ
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